おはようございます。
本日は音楽センスを磨くことについてのお話をします。
音楽センスは生まれついての才能とかじゃなくて頑張ればなんとかなるものです。
センスってナニ
そもそもセンスって何なんだって話なのですが、国語辞典を引いてみると「物事の感じや味わいを微妙な点まで悟る働き、感覚。またそれが具体的に表現されたもの」とありました。
イマイチピンと来ないのでとりあえずこれは一旦無視していただいて。
センスはひと言でまとめると、多くの人が「ステキやん♡」ってなる感覚を持ってるかどうかです。決して自分1人だけでは成立しないものです。
例えば、妄想してください。
あなたは今人口101人のとある村に住む作曲家です。
「ステキやん♡」って自分でベタ褒めするほどの「らせん(仮)」というタイトルの曲ができました。
それを村人全員に聴かせてみたところ、80人の方々に「ステキやん♡」と言われて大好評でした。そうなるとあなたはこの村では「音楽センスのある人」として認定されました。
残り20人の人も最初は否定的でしたが、大多数の人が「ステキやん♡」ってなってるのを見て「あれ?なんかすごいやん…じゃあおれもスゴいって言っとこ…」とか言い出したりします。
人間ってそんなもんです。笑
そしてあなたのもとに作曲の依頼がバンバンくるようになりました。おめでとうございます。
で、ここから大事です。
その村から山を越えて少し離れたところにとなりの村があります。そこにも同じく100人の人たちが住んでいます。その人たちにも同じように「らせん(仮)」を聴いてもらいました。
ところが。
その村では「ステキやん♡」ってなったのは10人だけで、残りの90人もの人が「いやぁ…ビミョー…」とか「カッコ悪い…」とかなんだか否定的な意見でした。大不評です。そうなると「ステキやん♡」と言っていた残りの10人もなんとなく否定的な方に流されてしまったりします。
そしてその村では「音楽センスのない人」認定されてしまい、作曲の依頼がくるどころか、誰もあなたの作品には見向きもしなくなってしまいました。
この例え話はちょっと極端すぎるのですが、こんな感じで自分ひとりだけで決めれるものではなく、まわりの人たちがいてはじめて成立するのが「センス」です。
図で表すとこんな感じ。
人の好みの感覚を丸で表してみました。
Cさんはジャズが好きだったり、Bさんはヒップホップが好きだったり、人それぞれ持ってる感覚は違います。でもいろんなジャンルを聴いたりするので、こんな感じで少しずつズレております。
この丸と丸がピッタリ重なることはたぶんないのですが、どこかで共通する感覚はあるので、重なり合ってる赤い部分で共感が生まれて、「ステキやん♡」ってなります。
なので共感する人が多ければ多いほど、センスがあるって言われる可能性が高くなります。
さっきの村の話がそれです。
地域によって差が生まれたりするし、国とか文化が違えばもっとこの丸はかけ離れたところにあったりします。
図でいうとAさんがたぶんそんな感じです。
聴いてきた音楽とかが似通ってたりすると大部分で重なるので、話が合って意気投合したりします。
皆さまがふだん口にする「センス」はだいたいこんな感じのことを言っています。
センスを磨く
だいぶ長くなりましたが、ここから本題です。
じゃあこのセンスをどうやったら磨くことができるのか?
それは自分以外の人が何をイイと感じるのかをたくさん知ることです。
さっきの図は分かりやすくするために丸で表しておるのですが、実際はたぶん人によって形が全然違ったりいろんな色があるんだと思います。
で、それを知るためにはいろんな人の感覚に触れることです。好きな音楽の話をしたり、その音楽に実際に触れてみたり。
その時に自分もグッとくるものもあれば、「なんで!?」って思うようなものあるのですが、大事なのは後者です。
普通に生きてたら好きな音楽以外を聴くことってあんまりないと思うのですが、好きじゃないなーって思っても何回も聴いてたらなんとなく良さがわかってくるものです。#中には何回聴いてもムリなものもありんす
僕自身、ドラムを始めたばかりの頃はコピーをするために「なんでこんなん聴かなアカンの?」っていう音楽ばっかり聴かされてました。#決定権ゼロだったドラムスコ
最初は全然イイと思わなかったのですが、何回も何回も聴いてるうちに味がわかるようになってきて、最終的にカッコイイ!と思えるようになりました。
たぶん慣れとかもあると思うのですが、人間てけっこうそんなモンです。
あと、いろんなランキングをみたり、ラジオを聴いたりすることでもセンスは磨かれていきます。
中には「これの何がいいの??」っていう音楽がランクインしたり流れることがあって、それって自分から聴こうとは思わないものです。
でもそれも拒絶するんじゃなくて何回か聴いてみるんです。
そうすると同じようになんか味がわかってきて「ステキやん♡」って思えるようになります。
そんな感じで自分が知らない、いろんな音楽に触れることで音楽センスは磨かれていきます。
大切なのは、ただ聴き流すんじゃなくて、「これのどこがいいんだろう??」ってめっちゃ考えながら聴くことです。最初は全然わからないのですが、何回も聴いてると「ああ〜、ここでグッとくるのね」っていうのがわかるようになります。
そうするといろんな人の感覚がわかるようになって「こんな感じの音楽を作ったら喜んでくれるだろう」みたいな、皆さまのストライクゾーンがわかるようになるんです。
とはいえ。
それはハッキリクッキリ明確にわかるようなものではなくて「なんとなく」です。
実際に聴かせてみて反応を見るまではそれが正解なのかどうなのかはわかりません。
「これステキやん♡」って思って全力で投げてみても大失敗に終わることだってザラです。
それを何回も何回も繰り返してセンスは磨かれていきます。
ちなみに僕が音楽センスを磨き始めたのはまだドラムを本格的に始める前の中学3年生の時。
音楽センスっていうか、ただ単に流行りものを追っかけ出しただけなのですが。
それまで一切観ることのなかったドラマとか音楽番組とかを観るようになってまわりの人たちの話に必死でついていこうと、毎日毎日いろんなものをみたり聴いたりして研究していました。
それまで一切知ろうともしなかったものばっかりだったのでスポンジが水を吸うかのごとくいろんなものを一気に吸収し始めました。
そんな感じでドラムスコの音楽センスは磨かれていったのですが、この時にラッキーだなと思ったのは自分がオタク気質だったってことです。
その気質があったからこそ、この曲の何がいいんだろう?みたいなことをめっちゃ頭の中で考えれたんだと思います。
この時にいろんなポピュラー音楽を聴いたおかげで世の中の人たちがどういう音楽に反応するのかっていうのがなんとなくつかめた感じがしております。
年代によってどんな音楽が流行ってるかも全然違うんですけど、どの年代でも共通することがひとつあることに気がついてですね。
言ってみれば「名曲の条件」みたいなものがなんとなくつかめた感じがしました。
それはまた長くなるので場所を変えてお話しようと思います。
まとめます
以上、センスの磨き方のお話をしてまいりました。
センスって「何もしなくても生まれた時から備わってる秀でた能力」みたいな捉え方をされることが多いのですが、そんなワケはなくて血と汗と涙の結晶です。
どんな音楽があるのかっていう知識と、いろんな音楽に触れたことがある経験です。
それを自分から学びにいかないとセンスが磨かれることはありません。
そして何よりも大事なのは、「自分の感覚で人を楽しませたい」っていう気持ちだと思います。
それがなかったらせっかく積み上げた知識と経験をどこに向ければいいのかがわからなくなってムダになってしまうのでご注意ください。
それじゃーまた。
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