ドラムスコ少年記その6

中学生になり、バスケ部に入り、ケガに泣かされながらも、なんとかレギュラーを勝ち取ったドラムスコ少年ですが、普通ならこんな状況、バスケが楽しくてしょうがないハズです。

そんなに強いチームではなかったですが、部員数が3年生だけでも20人近くいたので、その中から5人に選ばれる、っていうのは嬉しいものです。そういう気持ちが僕の中にはあったにはあったのですが。。。

 

ところがですね。

 

どうやら僕の精神状態はあまり芳しくなく、どこか楽しめてなくて、、、というか、なんか想像してた未来とはずいぶん違っていたような感覚になっていました。

 

っていうのも。

大阪に来てからというもの、そこまで深い友達もできず。

家族にはそんなこと言えるはずもなく。

特に親には心配をかけたくない、っていう想いと、そもそも僕は親に対して、「言っても理解してくれるわけない」と、思ってしまっていたので、そんなことは口が裂けても言えません。

 

なので。心の拠り所がなくて、寂しくて、すごく孤立してるような感覚におちいっていました。

 

ただでさえ僕は小さい頃から「変わってる」とか言われることが多くてですね。

いわゆる「変なヤツ」扱いされる人間だったので、そこに輪をかけて完全に『ハミダシモノ』扱いです。

 

詳しくは→ドラムスコ少年記その2

 

宝塚にいた頃はまだ幼かったし、友達にも恵まれてたので、そんなヤツでも快く受け入れてくれてたので「孤立感」なんて微塵も感じていなかったですが、もうあの頃とは何もかもが違います。

 

年齢も少しずつ大人に近づいてきてるし、友達もいない。

そんな環境の中では、「変なヤツ」扱いされるような人間はなおさら浮いてしまいます。

 

そんな状況の中、中学から転校だったことも相まって、浮いてしまっていたのか、1年の時にまたもや軽いイジメにあいました。

 

人はどうしてイジメをしてしまうのでしょう?

 

誰も幸せになることなんかないのに。

 

そんなことなおさら家族には相談できず、そんな深い話をできる友達もいないので、自分で何とかするしかありません。

そんなことを思って耐えてたら、飽きたのか、自然とおさまっていったので、なんとか踏ん張れました。

踏ん張れたのは、そもそもそこまで酷いものではなかった、ということと、バスケットボールがギリギリ心の拠り所になってたから耐えれたんだと思います。

 

もしバスケがなかったら僕は今ごろこの世にはいなかったかもしれません。

 

とはいえ。

やっぱり1年の時のイジメは軽いとはいったものの、精神的ダメージは相当深く、そこからちょっとしたことでもその傷がエグられてしまっていたのでしょう。

 

僕の心は中学の3年間でどんどん閉ざされていきました。

 

でも。

それを当時自覚していたかというと、決してそんなことはなくて、この時から10年ぐらい経ってから「あの時から少しずつ心閉ざしていってたんだなぁ」っていうことに気づいた感じです。

 

心を閉ざす時って大きく分けると2つのパターンがあると思うのですが、ひとつは何か衝撃的な出来事があって、いきなり扉を閉めるように、バタン!と閉ざしてしまうパターン。

もうひとつは扉を少しずつゆっくり閉めていくように閉ざしていくパターン。

 

僕の場合はそんな大きな出来事があったわけではないので、後者の方です。

バスケには夢中になって取り組んでいたのですが、そんな自分の状態を薄々気づいていたので、必死に目を背けようとしていたんだと思います。

 

元々、僕の心はすごく繊細なところがあったのですが、それが転校を繰り返すことによって、輪をかけて細かいところを気にしたりするようになっていきました。

人のちょっとした仕草とか言葉とかでイチイチ傷ついたり、悪い方向に考えることが少なくありません。

 

そんな時にまたもやイジメに遭うという。

そりゃ閉じていくよねー。

 

 

 

僕の人生の中での一大事件が起きたのも中学の時です。

 

その事件とは。

中2の時に見た同級生のドラム演奏に衝撃を受けたこと。

普段大人しい感じの男の子がドラムを叩く姿に感動した僕は密かにドラムに対して憧れを抱くようになります。

そしてその日から影でコソコソドラムの練習をするようになりました。

「いつかドラムを叩いてみたいなぁ」という想いを胸に。

 

後、中学3年の時に、それまでまったく興味のなかったドラマとか音楽番組とかを、テレビで観るようになりました。

これは思春期に入って、異性を意識するようになったことが原因だと思われます。

同じ時期に服装にも気を使うようになったりして、バスケ以外のいろんなことに興味を持つようになりました。

 

初めての彼女ができたのが中3の時。

この時はすごく奥手で、もうどうしていいかわからなかったので、手を繋ぐことすらままならない状態でした。

なので、一緒に帰るとかそういうことはあっても、どこかに遊びに行ったりとかはあまりせず、ホントに付き合ってるのか?という状態でした。

そしてそのまま何もせず卒業と同時にフラれるという、悲しい結末。

 

それが高校に入ってあんなことになるとは、この時の自分では知る由もありませんでした。

 

とはいえ。

この頃の僕の心は完全に閉じてしまっていて、まわりの人との摩擦を極度に怖がるようになっていました。

ドラマとか音楽番組を観たりして流行りを追いかけたりするのも、心を閉ざしていたことが影響してたのは間違いありません。

 

その7へ続く

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