おはようございます。
本日は初めてのライブでやってはいけないことというお話です。
記念すべき人生の初めてのライブ。
一生忘れることのできない、いちばん思い出に残るライブです。
そんなメモリアルライブを、どうせなら素晴らしいものにできればと思い、筆をとった次第です。
ライブハウスでPA(音響)として、年間たぶん300本ぐらいライブをみてきた僕が「これは絶対やらない方がいい」と思ったことをお話ししたいと思います。
それは、「誰も知らないマニアックな曲を演奏する」です。
これはホントに地獄絵図になるのでやめた方がいいです。
初めてのライブって、だいたい誰かのコピーをやることがほとんどだと思います(ごくまれに初ライブでオリジナル曲をやるというツワモノもいらっしゃいますが)。
自分たちが好きな音楽をやりたい!という気持ちはすごくよくわかります。
実際そういうバンドさんはたくさんいらっしゃいました。
でも。
客席の空気が明らかに微妙な感じになってしまってて、全然楽しくなさそう…っていうケースがほとんどなのです。
「この曲は誰の何て曲???」って感じでハテナがたくさん飛び交っているのです。
曲が終われば拍手は起こるのですが、それは明らかにお義理のような拍手です。
知らない曲なので盛り上がりたくても盛り上がれないんです。
お客さんはそんな感じの地獄的な空気を30分ほど過ごさなければなりません。
初ライブのお客さんって知り合いとか友達とかを呼ぶ、ってのがほとんどです。
なので会場の外に出ていきたくても出ていけないんです。
中には限界突破して出ていくお客さんもいらっしゃいます。
そんな光景をたくさんみてきました。
僕はPAという立場上、客席の後ろの方からすごく客観的にライブをみなければなりません。
たまに客席に混じってライブをみることもあります。お客さんにどういった感じで音が届いてるか?を確認するために。
その時にお客さんがどんな感じでライブを楽しんでるのかなーとか、そんなことも見たりするんですね。
それを年間300本やってるので、お客さんが本気で楽しめてるかどうかはすぐにわかります。
そんな仕事をしてるもんですから、わりといろんなジャンルの音楽を知ってるつもりなのですが、そんな僕らでも知らないような曲を演奏するバンドさんがたまにいらっしゃいます。
そんな時は客席はおろか、PAブースにまで変な空気が流れてしまっています。
反対に皆が知ってるような曲を演奏してるバンドさんは会場全体がすごく楽しい空気に包まれていることが多いです。
ライブは出演者とお客さんが一体になって初めて成立するものです。
極力客席の人たちが知ってるような曲をやるのがいいと思います。
その方が確実にライブは盛り上がります。
ほとんどが3〜4組でやる対バン方式なので、盛り上がれば他のバンドさんを見に来たお客さんも見てくれたりします。
お客さんが盛り上がってるのを見ると演奏してる側も楽しくなって、自分の持ってる実力以上のパフォーマンスができたりすることもあります。
それを見たお客さんはまたより一層楽しくなって、プラスの連鎖が生まれます。
それがライブの醍醐味なんだと思うのですよ。
そうやって盛り上がればライブするのが快感になって、またライブをやりたくなります。そして音楽という沼にドップリハマってしまって、抜け出せなくなります。
そうやって生まれたのがワタクシ「ドラムスコ」でございます。
ちなみに僕の記念すべき初ライブは高校2年生の6月。
ブルーハーツのコピーをやりました。
お客さんは頑張って呼んだので150人ぐらい。
収容人数200人ぐらいのライブハウスだったのでけっこうパンパンな感じでした。
そんな中でやる曲がブルーハーツです。
しかも盛り上がるような曲ばっかり。僕らの初ライブは大盛り上がりで、中にはダイブする人もいたほど、会場は熱気に包まれておりました。
初ライブは大成功をおさめました。
僕はドラムなので少し客席から距離があって、後ろからしか客席を拝めません。それでも関係なくすごい空気が伝わってきていました。その時の感動というか、快感は今でも鮮明に覚えています。
あの感動は誰でも味わえるものではないので、すごく貴重な体験をさせてもらえたなーと思います。
その時に初めて音楽って素晴らしいものなんだな、という認識が生まれました。
せっかくの初ライブですごくイヤな思いをした人たちもたくさんみてきましたが、そういう人たちはわりとすぐ音楽そのものを辞めてしまったりしています。
ライブをするってすごく大変なことです。
メンバーひとりひとりがたくさん練習しなきゃいけないし、それを全員で合わす練習もしなきゃいけない。
そのために練習スタジオに入って練習したりします。お金もかかります。予定もみんなで合わさないといけない。学校の軽音部とかでできるならお金はかかりませんが、みんなで予定を合わすってのもけっこう大変なことです。
やることがたくさんあって、それを乗り越えた上にライブが成り立つことは重々承知してるつもりです。
そんな大変な思いをしたからにゃーイイ感じに終わって、一生の思い出になればいいなと思っております。
それじゃーまた。
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